頬骨アーチリダクションの症例
頬の下には頬骨弓という骨があり、顔を守っています。しかし張り出しているからといって安易にこの頬骨弓を削ると、骨折しやすくなるというリスクが生じます。もともと厚みが4mmから5mmほどしかないため、削るよりも頬骨アーチリダクションを施します。頬骨アーチリダクションでは、頬骨弓をまず前方と後方で骨切りします。
そして、切り離された部位を内側に移動させることで、張り出した頬を修正します。この方法では約1cmほど、顔の幅をほっそりさせることが可能です。ただし顔は立体的なものなので、どの程度内側に転移させるかで顔の印象が変わってきます。
手術は全身麻酔で行われ、施術時間の目安は1時間から3時間です。ダウンタイムは平均して1週間です。シャワーなどは、身体が温まり過ぎないように軽く済 ませます。腫れは手術後3日目がピークで、その後徐々に治まります。体質によっては3か月程度むくみますが、その後落ち着きます。
リスクについて
多くの症例では、頬骨弓をごく薄く削る手術を併用しています。頬骨弓の下には顔面神経があるため、医師のミスでこの神経を傷つけてしまうと、顔面神経麻痺の後遺症が残ります。具体的には顔の表情をうまく作れなくなったり、顔にしびれが残ります。優れた技術を持つ医師なら、削る部分の骨膜のみ剥離し、削り過ぎのないよう慎重に行います。
また、頬骨弓は内側に移動させすぎると、口を大きく開けられなくなることがある他、皮膚にたるみが生じてしまうことがあります。名医であれば、頬骨弓を全体的に上に引き上げて固定するため、頬にたるみが出ることはありません。
頬骨アーチリダクションは、口の中の粘膜を切り開いて行いますので、外に傷が残ることはありません。頬骨の出っ張りが少ない場合は、内側に頬骨弓を移動した後、固定することなく完了します。出っ張りが多い場合は、前方と後方で骨切りした頬骨弓をチタンプレートとスクリューで固定します。
頬骨弓は顔全体に関わるため、失敗を避けるためには、成功症例の実績を多く持つ医師を選ぶことが大切です。